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2018/4 Vol.121

【表紙の絵】
「あいするこころロボット!!」
齋藤 佑陽 くん(当時5 歳)
人間ができないことが何でもできる
ロボットがあったらいいな。

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特集 オリンピック・パラリンピックに貢献するスポーツ工学

パラアルペンスキーにおける科学的取り組みⅠ ~チェアスキー用カウルの流体解析~

飯塚 浩二郎(芝浦工業大学)・廣瀬 圭〔(株)テック技販〕

図1 チェアスキー

チェアスキー競技のカウルについて

チェアスキーとは下肢に障がいのあるスキーヤーが座席にスキー板を固定して雪面を滑走するスポーツである図1。座席はサスペンションを組み込んだチェアスキーフレームとバケットシートで構成され、チェアスキーヤーはそれを上半身の力で操り、平均時速100kmを超える速度で斜面を滑走する。滑走時のターンの際にはフレームを傾け、通常のスキー同様、スキー板のエッジを使うことによりターンを行う。

2002年、海外でカウルと呼ばれる足を覆う道具が登場した。カウルを装着することで空気抵抗を6〜24%減らすことができ、スピードの向上が得られた。しかし、現在においても、このカウルについて、国内での研究はあまり行われておらず、開発はチェアスキープレイヤーの経験に基づくものに留められている。その一方で、スキー強豪国として知られるオーストリアでは、大規模な風洞実験によってカウルの性能を定量的に評価し、それに基づいた開発が行われている。そこで、国内でもカウルの性能を、実際の使用感といった定性的なものでなく、空気抵抗の減少度合(抗力係数)といった定量的な値で評価していく必要がある。

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