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2018/3 Vol.121

【表紙の絵】
特しゅなラップでオゾンそうを守るきかい「地球守るくん」
澤田 明伸 くん(当時9歳)
今、地球の「オゾンそう」がはかいされてきています。うちゅうでもたえられるかこうがしてある特しゅなラップで地球をおおいます。その特しゅなラップは、太陽風やいん石やうちゅうゴミが地球に落ちてくるのをふせいでくれています。それに、「地球守るくん」の本体は木でできていて、本体を作るときにあまり二さん化炭そを出しません。あと、顔の表じょうを変えられるので面白いです。地球のオゾンそうがはかいされなければいいと思います。

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特集 注目の新規金属材料「高エントロピー合金」

高エントロピー合金の強ひずみ加工による組織極微細化

土谷 浩一・Qiang Jian(物質・材料研究機構)

はじめに

高エントロピー合金(high entropy alloys: HEA)とは等モル比高濃度合金の総称であり、近年多くの研究者の関心を集めているが、その起源は18世紀末まで溯る(1)。プロシアの科学者Franz Karl Achardは11種類の元素からなる900種類の合金を鋳造し、密度、硬さ、強度から耐食性にいたるまでさまざまな特性を調べて表にし、1788年に“Recherches sur les Propriétés des Alliages Métallique”として出版した。その中に5〜7種類の元素を等重量比混合した合金が含まれていた。

それから200年以上を経て、Cantorら(2)はCoCrFeMnNiがfcc単相に凝固するのを見出し、Yehらが混合エントロピーを高くすることで固溶体を安定にするという高エントロピー合金の概念を提唱するとともに種々の等モル比合金の組織と特性を報告した(3)。以来、特にCoCrFeMnNi合金は極低温域でも顕著な加工硬化、高い延性、靭性を示すことからその変形機構などについて多くの研究が行われている(4)。しかし微組織制御という観点での研究、特に強加工による結晶粒微細化に関するものはそれほど多くない。Laplancheらはスエージ加工したCoCrFeMnNi合金について、熱処理による組織変化を調べた(5)。またShuchらはCoCrFeMnNi合金について高圧ねじり (high-pressure torion, HPT)加工による組織変化について調べた(6)。この加工法の概略を図1に示す。対向する上下アンビルの間にディスク状の試料を置き、圧力を加えたままの状態で下アンビルを回転させる。これにより試料に非常に大きなせん断歪みを付与することができる。また試料を擬静水圧下で加工するため、金属間化合物の様な脆性材料や、難加工性の材料でも加工することができるという特徴がある。

図1 高圧ねじり加工法の概略図

 

我々はこれまでにこの方法をTiNi(7)、Ni3Al(8)などの金属間化合物、金属ガラス(9)などに適用し、その微細組織変化や各種の特性変化について調べてきた。本稿ではAl0.3CrFeCoNi高エントロピー合金についてHPT加工による微細組織と力学特性の変化に焦点を絞って述べる(10)

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