機械屋の数学
第2回 ばね・質点系の連成振動から波動方程式へ 行列の固有値問題から演算子の固有値問題へ Part 2
前号では,2個の質点の場合の問題を扱ったが,今回は,図3に示すように,壁に固定された$N+1$個のばねで繋がれた$N$個の質点の連成振動について考える。2個の質点の場合には,二つの振動モードが現れて,それらの振動を表す固有ベクトルが直交するのを見たが,$N$個の質点になると$N$個の振動モードが現れて,波が見えてくる。今回は,その様子を説明していく。
図3 両端を固定された,ばねと質点系の連成振動(質点$N$個の場合)
図3に示すように,つり合いの位置からの$N$個の質点の変位をそれぞれ,$u_1, u_2, \cdots u_{j-1}, u_j, u_{j+1}, \cdots u_{N-1}, u_N$とする。このとき,それぞれの質点に対する運動方程式は,$u_0 = 0$,$u_{N+1} = 0$と定義して,次式で与えられる。
\[m\frac{{\rm d}^2 u_j}{{\rm d}t^2} = k(u_{j-1} – 2u_j + u_{j+1})\quad (j = 1,2, \cdots, N)\] | (1) |
$\omega_0^2 \equiv \dfrac{k}{m}$とし,式(1)は,次式のように表わせる。
\[\frac{{\rm d}^2 {\bf u}}{{\rm d} t^2} = \omega_0^2 {\bf Au}\] | (2) |
キーワード:機械屋の数学
【表紙の絵】
「エコな飛行機」
佐藤 想士 くん(当時10 歳)
地球から出たよごれた空気を吸う事で空を飛び、きれいな空気に変換して排出します。緑の少ない土地には種をまきます。
皆、この飛行機が大好きです!!