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2018/1 Vol.121

【表紙の絵】
「心ウキウキゆかいな
メロディーメーカー」
吉川 知里 さん(当時9 歳)

前にテレビで見た“日本の町工場で作られたネジや部品が世界で使われている”という話をきっかけに考えていた機械です。
ドアの開閉の力で歯車が動き、その時その気分にあった音楽が流れてきます。
朝は1 日を元気に過ごせるようなやる気の出る音楽、夜は1 日の疲れをとってくれる優しい音楽、
悲しいことがあった時は、なぐさめてくれます。
荷物やお手紙が届くとお知らせチャイムが流れます。

バックナンバー

ほっとカンパニー ~世界で活躍する元気な特別員を紹介~

JSR(株) 3Dプリンタによる社会変革に挑む“材料屋”

日本にはこんなすごい会社がある

高度経済成長期、エネルギーは石炭から石油へと大転換を果たし、新しい産業として石油化学工業が台頭してきた。「さらなる産業振興のためには、石油化学製品が不可欠」──時の政府は、積極的に育成を推進した。JSR の前身である「日本合成ゴム」が国策会社として誕生したのは、1957年。その使命は“ 合成ゴムの国産化” だった。1960年には自動車用タイヤ材としてよく使用されるスチレン・ブダジエンゴム(SBR)の国産化に成功。以来、新たな開発と製造を続け、合成ゴム分野を牽引するトップ企業として現在に至る。近年の成長ドライバーは、低燃費タイヤ用合成ゴムである溶液重合SBR。JSR が長年培ってきた高分子技術によって開発した溶液重合SBRは、加工性・物性・特に動的特性に優れており、低燃費タイヤの地面と接触する箇所に主に用いられている。低燃費タイヤには、低い転がり抵抗と高いグリップ力という相反する性能が要求されるが、グリップ力を左右するゴムの材質自体はかえずに、ゴムの分子と補強材の分子同士が結びつきやすくなるように分子の末端に変化を加え、摩擦によるエネルギーロスを従来の45% 減まで抑え、転がり抵抗が低くなるように設計されている。溶液重合SBR は、日本・欧州を中心に需要が急拡大しており、日本とタイに加え、2018年にはハンガリーにも新工場を建設し、生産能力の拡大とグローバルな供給体制の強化に、さらに力を入れるという。

一方で同社は、早い時期から未来のニーズを見据えた事業の多角化にも積極的に着手してきた。現在は、半導体やディスプレイなどの材料を扱うファイン事業と、最先端医療のニーズをとらえたバイオプロセス材料や診断薬剤料などを開発・製造するライフサイエンス事業を展開している。

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