大学入学時の驚きと不安

大学入学当初、機械工学科のあまりの男性比率の高さに驚いた。共学の高校で理系クラスに在籍していた私は男子ばかりの環境に慣れているつもりだったが、やっていけるのだろうかと不安を感じた。そんなとき、友人の誘いで工学系女子応援プロジェクト.cpegという女子学生団体に入ったことがきっかけで学部から修士までのメカジョの先輩方と知り合い、相談できたことで過度な不安もなくなっていった。

工学系女子応援プロジェクト.cpeg

工学系女子応援プロジェクト.cpeg（ドットシーペグ）とは、工学部の魅力を学内外に伝える活動を行っている東京理科大学工学部の女子学生団体である。.cpegという名前は皆さんもご存知の画像フォルダの拡張子.jpg をもじったもので、頭文字のcには、creative・communication・careerの三つが、続くpeg にはproject for engineering girl の意味が込められている。2009年に発足し、2018年で10年目を迎える.cpeg は、「工学部の魅力を発信する」「私たちの“ やってみたい” を実現する」この二つを軸に活動を行っている。まず「工学部の魅力を発信する」活動としては、オープンキャンパスで女子中高生を対象としたブースを開き、.cpeg メンバーをはじめとする現役の工学部女子大学生による学科紹介・相談コーナーを行っている。また、私たちの生の声が載った冊子の作成や配布、女性活躍推進イベントへの参加も行っている。さらに「私たちの“やってみたい”を実現する」活動としては女性エンジニアを交えたカフェミーティングや工場見学などの交流会の開催、ノベルティの作成なども行っている。

メカジョのイメージ

オープンキャンパスで女子中高生とお話しすると、「メカジョって少ないのでしょう？困りそう…」「メカジョって暗そう…」といった不安な声を多く聞くし、保護者の方も心配されている様子を感じる。不安を感じたまま、よくわからないままではせっかく機械工学に興味があっても、メカジョを目指すことにたいへん勇気が必要であるし、進路選択の候補から外されてしまう場合もある。

そのため、私たちからメカジョの学生生活を伝えることで「安心した」「メカジョを目指したい」「イメージが変わった」などと感じていただいている。このような不安の声を耳にするからこそ、メカジョの本当の姿がいかに知られていないのか、また、メカジョの本当の姿を知ってもらうことがいかに重要であるかを強く感じている。

メカジョの将来像が進路選択を後押しする

私は、以前に.cpegの先輩の誘いでLAJのランチミーティングに参加し、社会人として活躍されているメカジョの方からメカジョになった経緯や就職活動の思い出、会社での日々や環境を聞くことができた。その話はとても新鮮で、その日に出会った方々にあこがれを感じ、私もそんな人になりたいと将来について考えるようになった。それまで、大学卒業後の自分についてまったくイメージできず、考えることを億劫に感じていた私が、将来についてあれこれ思い浮かべていることに驚きを感じた。この経験から、あこがれの存在の影響力の大きさを実感するとともに、進路選択を控えた女子中高生にとっても大学進学の前にあこがれるメカジョに出会えること、知っていることは将来の自分をイメージするとても大きな後押しになると思う。

ただでさえ「めずらしい」と言われるメカジョに会うことができる機会、話を聞くことができる機会は非常に貴重である。メカジョを目指すことが当たり前の進路選択の一つとなるように、そして「メカジョ」=「めずらしい」と考えられていたことが過去のこととなるように、今後も.cpeg としてメカジョの魅力を発信していきたい。

 

女子中高生を対象に「工学部の魅力を発信する」

（2017 年8 月9 日 オープンキャンパス）

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＜学生員＞

佐藤 瑠維
◎東京理科大学　工学研究科機械工学専攻　修士課程1 年
◎専門：機械工学、トライボロジー