Myメカライフ
環境に柔軟に適応できる機構を目指して
私は小さな頃、レゴブロックで歯車やリンクなどの機構を組合せ、からくり仕掛けのロボットを作って遊んでいました。機構が大好きで、その後研究者の道を選ぶのですが、機構の歴史は古いため、まだ研究する余地があるのであろうかと不安に思う時期がありました。
そこで「どのようなことまで機構でできるのだろう」という疑問を持つようになりました。たとえば、人工知能は歯車やリンクなどの機構の組み合わせで実現できるのかという疑問です。答えは「できる」です。コンピュータは論理回路の集まりです。すべての論理回路はNAND 回路の組み合わせで実現できます。このNAND 回路の機能は機構でも構成できるのです。この事実は機構の可能性を非常に感じさせるものでした。なぜならば、少なくともコンピュータで表現できることはすべて機構で表現できるからです。
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【表紙の絵】
「オゾンホール修復飛行船O3-ZES21」
久保 竜希 くん(当時10 歳)
O3-ZES21( オーゼス21:O Zone Eco Ship 21 century)この機械は飛行船にオゾン発生装置を取り付けて、上空で飛行しながらオゾンを製造し、オゾンホールをふさぎます。燃料はいりません。晴れの日は屋根のソーラーパネルで、曇りや雨の日はプロペラと、オゾン発生装置のファンが回ることで電気を作れます。出発前に地上でCO2 を取り込んで、上空でO3 に変えて、放出します。O3-ZES21 の作ったオゾンのおかげでオゾンホールがなくなり、紫外線がさえぎられて、南極の生き物が大喜びしています。