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2017/11 Vol.120

【表紙の絵】
「おばけたいじロボット」
白石 煌惺 ちゃん(当時7歳)
自分のお部屋で寝ようとすると、暗闇の中からおばけに見えてしまう服やクローゼットが出て来るのをビームでやっつけてくれるロボットが欲しいです。

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おもしろイベント報告

『さわって動かす機械とロボット』

藤原 康宣(一関工業高等専門学校)

機械工学を身近に

機械工学では大型の設備・装置を使用した研究・教育が行われていることが多い。このことが、一般人が多く来場するオープンキャンパス等においては、内容が伝わりにくい原因の一つになっていると考えられる。筆者が所属する一関工業高等専門学校機械工学科では、実際に手に取って触れたり、動かしたりできることをコンセプトとするオープンキャンパスを数回実施し、機械工学の魅力および本学科の研究・教育内容を外部に発信している。本稿ではそのテーマ『さわって動かす機械とロボット』における2016 年度実施企画の中から、いくつか代表的なもの紹介したい。

移動ロボットによる風船割りゲーム

本学科では、設計教育の一環としてロボット開発を行う授業に取り組んでいる。これは第3 学年で設計開発したロボトに第4 学年でマイコンを搭載し、自律型移動ロボットを2年間かけて開発する流れとなっている。この授業で学んだ技術を使用し、オープンキャンパス用に開発したものが本展示である(写真1)。これは無線通信でコントロールできる移動ロボットに風船をつけ、互いに割り合うゲームで、4 人同時に対戦できるようになっている。

 

写真1 移動ロボットによる風船割りゲーム

 

3D プリンタによる風車・水車の作成

エンジニアリングデザイン教育の一環として、第5 学年では風車または水車の設計に取り組んでいる。これは学生自らが3D-CAD で設計した風車・水車を、3Dプリンタで造形し、その性能を考察する授業である。この授業で開発された学生の作品を展示し、実際に小型風洞および水槽で実演を行った(写真2)。作品は実際に触れることができ、また同時に3Dプリンタの造形もデモを行っており、本校の教育内容と最新デバイスの紹介も兼ねた企画となっている。

 

写真2 3D プリンタによる風車・水車

 

国際交流プロジェクト~ロボットハンドの開発

本校では毎年フランス人の短期留学を受け入れており、留学中に何らかのプロジェクトに取り組むことになっている。今年度は機械工学科に配属された留学生がロボットハンド開発に取り組んだ。そのロボットハンドを展示し、来場者に握手をしてもらった(写真3)。ロボットハンドは3Dプリンタで造形されたロボットハンド本体と、それをコントロールするソフトウェアシステムから構成される。これを留学生と本校の専攻科生と協力して取り組んだ。RT(ロボット技術)と本校の国際交流プログラムの紹介を行う企画となっている。

 

写真3 ロボットハンド

 

 

機械の魅力を伝える企画を続けたい

ここで紹介した展示以外にも、学生のロボット作品、小型EV等さわって動かせる展示も実施した。実際に機械やロボットにさわる・動かす作業をしてもらうと、一般来場者の反応はとても良く、普段彼らが意識することの少ない機械工学のアピールになっていると思われる。一関高専機械工学科は、2017 年度より未来創造工学科・機械知能系へ改組し、新しいスタートを切っている。今後とも機械工学の持つ魅力を伝えられるような企画を継続していきたい。

藤原 康宣(一関工業高等専門学校)

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