特集 考えるCAE:ものごとの本質を捉える1DCAE
1DCAEとデザインの融合
デライトドライヤの事例
スペックではわからない「製品魅力」
総論のデライト設計のドライヤの事例をデザイナの視点から紹介する。1DCAE の手法による「魅力」の「キーワード抽出」、すなわち1DCAE でいうところの「ワクワク因子」が、プロダクトのフォルム作成において非常に役立った。コンセプトがデザインの着地点に誘導してくれるため、商品の理想像を明確にイメージする作業がとても楽であった。以下、そのプロセスをご紹介する。
個人的に、「ドライヤの形」には、いつも疑問を持っていた。なぜかドライヤは60 年代のSF 映画に出てくる「光線銃」のようなフォルムをしている。いわゆる「ピストル」の延長線上にあるフォルムグループである。果たして、この形が髪の毛を乾かすのに本当に最適なものなのだろうか? ほかにもっと快適な「解」が存在するのではないだろうか? なぜ、大多数のユーザーがこの形状に疑問を感じていないのだろうか? など。デライトドライヤの開発に際しては上記のような個人的な疑問があったこともあり、「仕事としての期待感」を強く感じていた。決して「ピストル形状」ではないもっと「製品魅力度」の高いドライヤを存在させたかった。
キーワード:特集
【表紙の絵】
「おばけたいじロボット」
白石 煌惺 ちゃん(当時7歳)
自分のお部屋で寝ようとすると、暗闇の中からおばけに見えてしまう服やクローゼットが出て来るのをビームでやっつけてくれるロボットが欲しいです。