特集 考えるCAE:ものごとの本質を捉える1DCAE
「二重の紙コップ」を科学する ~伝熱と1DCAE ~
図1 ティーポットから注がれるお茶
二重の紙コップは温かい?
温かいお茶が美味しいシーズンになった。著者は日本茶、紅茶、烏龍茶と種類を問わずお茶が好きな人間で、この時期は研究の合間に茶葉とお湯を入れたティーポットや急須から、湯気と良い香りとともにお茶を注いで頂くことが楽しみだ。
さて、二重の紙コップに注がれた温かいお茶を頂戴してほっこりすることがある(お茶に限らずだが)。最近ではテイクアウトのコーヒーに厚紙が巻かれていることも嬉しい(「スリーブ」というそう)。それは、この寒い時期に温かいお茶で温まれることもあるが、それ以上に「触っても熱くないように」という心配りに、心も温めて頂けるからではないか? 気持ちの要素はひとまず横に置いておいて、わたしたちが二重の紙コップを嬉しく思う「意味」を伝熱現象から考えると、どのように表現できるだろうか?本稿では、1DCAE の視点から、伝熱現象の「本質」を捉え、製品開発に繋げるプロセスを、そんなわたしたちの身近な事例から考えてみたいと思う。
図2 二重の紙コップ
キーワード:特集
【表紙の絵】
「おばけたいじロボット」
白石 煌惺 ちゃん(当時7歳)
自分のお部屋で寝ようとすると、暗闇の中からおばけに見えてしまう服やクローゼットが出て来るのをビームでやっつけてくれるロボットが欲しいです。