特集 日本機械学会のグローバル化~アジア諸国との連携のあり方~
豊田工業(昆山)有限公司(TIK)駐在について
豊田工業(昆山)有限公司(TIK)の紹介
豊田工業有限公司(TIK)TOYOTAINDUSTRY(KUNSHAN)は自動車のエンジン部品を製作する鋳造工場とフォークリフトを製作するリフト(叉车)工場があり、両工場ともに中国江蘇省昆山市にある。母体は日本の(株)豊田自動織機であり、幹部は日本人と中国人が約6対4の割合で、スタッフは全員中国人という構成である。
写真 現地スタッフと筆者
業務の紹介
リフト(叉车)工場で製造している2~3.5トンおよび3.5~8.0トンのエンジン式フォークリフト、1.5~3.0トンの電動式フォークリフトのベース車に対してお客様の要望に合わせた仕様に設計変更すること(特型設計)でお客様の仕事のサポートをしている。
対象の国としては中国国内はもちろん、海外においても東南アジア、中東、オセアニア、南米、アフリカが輸出対象海外地区となっている。
リフト工場の中に技術部があり、そこでローカルスタッフと特型設計を行い、お客様に満足いただける仕様を提供している。
特型設計について
営業から商談があった情報をインプットし、量産ベース車両に対してどの部品をどのように変更すれば、お客様が満足していただけるかを検討し、設計方針と価格を算出し、その情報を営業経由でお客様に提供する。その設計方針と価格にて営業が商談を進め、商談成立となり、受注され、生産計画され、詳細設計が始まる。詳細設計はローカルスタッフにより実施され、図面としてアウトプットされる。商談時、お客様要望から設計方針と原価情報を仕様設定情報として営業へ提供すること、また受注後の詳細設計後作成された図面を調査および承認するのが私の役割である。また、時にはお客様にあった仕様をご提案するためにお客様に訪問することもある。フォークリフトはさまざまな環境で使われている産業車両のため、オプションが多く、多様な仕様が準備されているが、それ以上にお客様にあった特型新設計が生産台数の約3割を占めている。
ローカルスタッフとの仕事について
仕事の指示は中国語で行うが、通訳が各部署に1~2名在籍しているため中国語ができなくても仕事の指示は出すことはできる。理想はやはり通訳なしでのコミュニケーションであるため、現地で語学学校に通い、中国語の勉強をしている。また、スタッフとの信頼関係を築くために、一緒に食事をしながら親睦を深めることも重要と考えている。また、自分たちが設計したフォークリフトの現物を自分の目で確認することで、設計者が考えていた通りに現物ができているかチェックする工程を設けており、これをしないと出荷できないシステムとなっている。その工程で筆者も同じようにスタッフと一緒になって確認をし、指導もするよう心掛けている。現物を前に、議論や指導をすることで設計者のレベルが上がるのは、日本も中国も同じだと感じている。
また、製品品質に対しても「MADEINCHINA」ではなく「MADEINTOYOTA」というスローガンのもと、日本での品質に対する考え方をスタッフに時あるごとに伝えるようにしている。
また中国の文化や風習についてもチャンスがあれば触れて、中国人の考え方に対する理解を深めたいと考えている。現在、駐在して約1年ほどだが、まだまだわからないことが多く、日々勉強である。
<正員>
城所 宏行
◎(株)豊田自動織機 リフト技術部 部長
キーワード:特集
「ゴミをでんきにリサイクル」
鈴木 偲温 さん(当時8 歳)
このきかいは、どこのくにでもでるゴミを、わたしたちにとってとてもひつよう、でんきにかえるきかいです。せかいの大人たち子どもたちにゆたかな生かつを送ってほしいです。