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2017/9 Vol.120

「魚(うお)っちゃCar!!」
吉川 大翔 くん(当時6 歳)
これは海の底で魚をとったり、研究
や工事が出来る移動式の機械です。
左前にあるセンサーやカメラで魚を探
します。自分の食べたい魚や珍しい
魚をつかまえて巨大タンクで増やしま
す。グリッパーにのこぎりやハンマー、
グラップルをつけかえて、深い海の
底に魚と一緒に遊べる遊園地を作り
ます。中は海の底でもず~っと息が
出来るように酸素や水、カルシウム、
色々なものがシャボン玉のようになっ
て出てきます。1 階は魚を育てるた
めの部屋。2 階は操縦席と巨大タン
クの部屋。3 階は図書館とお茶を飲
む場所があります。

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おもしろイベント報告①

IoT 時代の“ものづくり体験” MEMS 試作体験実習

MEMS を自分の手で作る

東京工芸大学工学部は、神奈川県の中西部に位置している。この地域では、自動車などの機械関連や電子情報関連の多くの”ものづくり企業” が工場を持ち、生産活動を展開している。また、本イベントの主催者である曽根も、電気会社の生産技術部門で製造技術の開発などを担当した経験から、実際のものづくりを体験することの重要性を感じている。そして、昨今のIoTブームにより、情報系であっても、センサやFPGA(Field Programmable Gate Array)などのデバイスの知識が必要となっている。これらの理由から、センサ開発の基盤技術であるMEMSの試作体験を企画し、2013年から4年間続けて、学部学生に試作を体験してもらっている。体験設備には、ナノテクノロジープラットフォームの微細加工部門の東北大学マイクロシステム融合研究開発センターを利用させて頂いている。センター長の江刺正喜氏は、MEMSの世界的な権威であり、実習の一部は、センタースタッフの支援を頂いているが、担当教員が責任を持って指導を行っている。

2 日間の実習

実習は、2日間の簡単な内容である。まず、安全教育から始める。実習には危険な化学薬品、ガスを使用し、また高電圧などの危険な状況があるためである。そして、レーザー描画装置によるフォトマスクの描画と現像(写真2左)を行い、Si基板を洗浄し、レジストのスピンコート(写真2右)、アライナーによるパターンの露光(写真3左)、現像を行う。そして、最後は2工程で、第1工程は、スパッタによるTiの薄膜パターン形成である。第2工程は、Si深掘りエッチング(写真3右)による微細な深掘りパターンの形成である。

実習後の学生のアンケートを行うと、「有用な体験であった。後輩にも体験してもらいたい」との意見が多く、実習の満足度も高かった。

写真1 江刺正喜センター長との記念写真

写真2 フォトマスクの現像とレジストのスピンコート

写真3 マスクアライメントとSi 深掘りエッチング

スパッタ実習(左)とSi 深掘りパターン結果(右)

 

曽根 順治
(東京工芸大学 工学部)

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