エンジニアリング教育の達成度評価 ~テスト問題バンクの取り組み~
第7回 テスト問題バンクの具体例(1)
1. 多肢選択式問題の要件と概要
前号の解説で述べたように、テスト問題バンクにおける多肢選択式問題では、機械工学に関する基礎的な知識・技能の修得を短時間で幅広く問うために、1 問の解答に要する時間を約2分とする、4 肢1 択の問題としている。普通の期末試験問題のように、理論式を導出させるなどとして、解答者の思考過程を問いたいところではあるが、1 回の試験で数学、物理学からなる基礎分野と、専門の機械工学の多岐にわたる基盤分野の知識・技能の習得を調べるためには致し方ないところである。本稿では、作問WGで作成した多肢選択式問題のいくつかの具体例を示し、その出題意図や問題レベル維持に関する課題について述べる。
キーワード:エンジニアリング教育の達成度評価
未来型かかし「Farmer」ファーマー
村越 水 さん(当時 14 歳)
本来、鳥から農作物を守るために建てられた‘かかし’ですが、もっと有効に活用しようと考えました。
笠の先端にはスプリンクラーが設置され水を自動的に放出します。笠が回り、鈴を鳴らして農作物を熊や鳥か
ら守ります。
腕から提げられた取り外し可能な籠は、収穫した野菜の重さを測ることができます。
両腕の先端は防犯カメラで 360 度監視します。カメラはもちろん‘かかし’の胴体も回ります。
異常があれば口に模したスピーカーからサイレンが鳴ります。
‘かかし’の背中にあるボックスに生ゴミや抜いた雑草を入れてセットすると堆肥になって出てきます。
これらはコンピュータ機能で管理し、笠に設置された太陽光の電気により動きます。