技術のみちのり
24カ月で作った世界一の葛野川4号機 (株)東芝・東京電力HD(株)
電力調整力に秀でた揚水発電~可変速揚水発電
山梨県大月市の山中、地下約500mのところに、ジェット機約3台が入るほどの大きな空間がある。東京電力HD(株)の葛野川発電所だ。ここに、2014年6月に運転を開始した世界最大容量(475MVA / 460MW)の可変速揚水発電システム「葛野川発電所4号機」がある(図1)。
図1 可変速揚水発電システム鳥瞰図
揚水発電は言わば巨大な蓄電池だ。夜などの電気需要が少ない時に、受電してポンプ水車を回して、下部ダムから上部ダムに水を汲み上げる。そして、電力需要が多い時に、上部ダムに溜めた水を落として、ポンプ水車を回して発電する仕組みである。しかし、従来の揚水発電システムではポンプ水車の回転速度は常に一定だ。発電時には流す水量を変えて、出力を調整できるが、揚水時は汲み上げる水量は一定となるため、使用する電力は変えられない。
この欠点を克服したのが、可変速揚水発電システム(可変速機)だ。定速機は同期機で、直流励磁であるが、可変速機は巻線型誘導機と同じで、交流励磁をすることで、励磁による回転磁界と機械的な回転との合成で同期させている。そのため、励磁を変えることで、任意の回転速度で運転できる。これにより発電時も揚水時も回転速度を自由に変えられるため、その時の電力需要に応じた効率的な発電と汲み上げる水量の調整ができるのだ。しかも、かなり低い出力での運転が可能であり、電力の調整能力は抜群に高いのだ。
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「オゾンホールの穴をうめて
地球温暖化STOP」
塚本 心汰くん(当時8 歳)
地球温暖化の原因ともなっているオゾンホールをうめて、もとのようなオゾン層を作る機械です。
太陽からのエネルギーをパネルで受けとめて動きます。
機械本体で作ったオゾンを、ホールに流し込みうめていく仕組みです。
地球を守るために、大活躍。