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2017/5 Vol.120

【表紙の絵】
「なかまを増やすロボット」
乙成 華菜 さん(当時10 歳)
このロボットは、はんしょくするロボットです。人が少ない年齢はどこかをみて、大人でも自分より年上じゃなければうむことができ、少子化を防げます。(一部抜粋)

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特集 機械工学のフロンティアを切り開くバイオエンジニアリング

機械工学におけるバイオエンジニアリングの役割と基盤力学への還元

和田 成生(大阪大学)

1. はじめに

機械学会の中でバイオエンジニアリングの研究は、機械工学を基盤として医学や生物学を融合させた多くの研究分野を生み出してきた。特に、近年ではライフサイエンスの目覚しい進歩とともに高度化する学際領域の発展を支え、それらを技術革新に結び付けるべく新たな医療や福祉技術を開発し、次世代の産業創出や社会貢献につながる研究活動が展開されている。なかでも、細胞や組織を使った再生医療工学(1)、計算解析を活用した個別化医療支援(2)、リハビリテーションにおける工学技術の応用(3)、医療機器開発とそれを支えるレギュラトリーサイエンス(4)は、バイオエンジニアリングの医療および産業応用として期待されている。

バイオエンジニアリングのような科学技術の最先端を走る学際研究は、科学技術の進歩とともに新鮮味を失ったり、発展的に形を変えたりするものであるが、機械工学と強く結びついたバイオエンジニアリングは、日本機械学会の中で分野横断的な役割を果たすとともに、バイオと機械の融合により新しい研究分野を開拓してきた。本稿では、この原動力を生み出す機械工学とバイオエンジニアリングとの関係と、今後の機械工学を支えるバイオエンジニアリングの役割について考える。

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