おもしろイベント報告
地方発 親子で体験・メカワールド2016
機械工学への関心を高めるために
地方発 親子で体験・メカワールド2016
(左)ブドウ糖燃料電池と振動モーター (右)ブドウ糖燃料電池の組立て作業
幼児〜高校生を、機械で楽しませる
このイベントは、日本文理大学の学園祭(一木祭)において、日本機械学会“ 機械の日イベント”として、子供たちの機械工学への関心を高める目的で、開催された。イベントの中身は、3種類。
一つ目は、ブドウ糖燃料電池の組立ておよび発電実験。二つ目は、ロボットアーム・パワーショベルによる菓子取りゲーム。三つ目は、電動機関車・電動4輪車の試乗体験。
なお、これらに使用した燃料電池のキットとロボットアーム等の機械類は、そのほとんどが本学機械電気工学科にて、設計・製作されたものである。
タイトル |
地方発 親子で体験メカワールド 2016 |
開催日 |
2016 年 10 月 15 日・16 日 |
開催場所 |
大分県大分市・日本文理大学工学部 |
主催者 |
九州支部 |
主な対象 |
幼児~高校生 |
主な作業 |
ブドウ糖燃料電池の組立および発電実験・菓子取り ゲーム・試乗体験 |
参加人数 |
約 320 名 |
(1)ブドウ糖燃料電池の組み立ておよび発電実験
2016年10月15日午後に実施。小・中学生と保護者の11組が参加した。準備した燃料電池キットは、アクリル製締付板、電解質膜、炭素繊維シート、集電用グラファイトシート、電極、ゴムパッキンがセットとなっており、これらを順番に重ね合わせてボルト– ナットで締め付ける構造で、小学生でも容易に組立ができるようにしている。
まず、当学科学生のサポートで燃料電池キットの組み立てを行い、次に燃料(医療用ブドウ糖液と水酸化カリウムの混合液)を注入して発電。その電力で、小型振動モーターを作動させた。参加者は、簡単に電力を得られることに興味津々で、機械工学とエネルギーの関わりを楽しく体験できたと考える。
(2)ロボットアーム・パワーショベルを使用した菓子取りゲーム
15・16日の午前・午後に4回開催。このゲームは、幼児から高校生まで、幅広い子供たち約280名が参加した。このロボットアームとパワーショベルは、空気圧作動の本格的な機構を持っており、子供たちは真剣な表情で、機械の操作に取り組んでいた。お菓子を3袋ゲットして大喜びする子供もおり、歓喜の声や落胆の声がうずまいた。が、残念賞の用意もあり、皆、機械の操作を楽しんでいた。
(3)電動機関車・電動4 輪車試乗体験
15・16日両日、キャンパス内の広場にて、開催。機関車は幼児・小学校低学年の人気が高く、4輪車は小学校高学年以上に人気となり、両方とも、順番待ちが続くことになった。盛況で充電が間に合わず、車両が運休する場面も。
2日間で320組の親子が参加
今回のイベントでは、大分市・別府市・臼杵市等の子供たちが集まった。菓子取りゲームでは、準備した景品が毎回途中で品切れとなるなど、想定以上の大盛況となった。
糖燃料電池作成では、「電池キットを持ち帰りたい」との要望を多くいただいた。工作や実験に関心を持つ、理科系志望の親子の意欲の強さを実感した。また、ロボットアームやパワーショベル等、巷のゲームセンターや遊園地では味わえない本格的な機械の操作を、子供たちはしっかり楽しんでいたようだった。
大盛況で、対応した教職員と学生の17名は、息をつく暇もない状況となったが、次年度もぜひ企画したいと考えている。今回のイベントでも、菓子取りゲームと試乗体験の人気が高かったが、工作や実験に興味を持たない子供たちの割合が増えていることも感じた。子供たちに機械工学のおもしろさ・楽しさを伝え、工作・実験好きになってもらう取り組みが必要だと、改めて思う。
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【表紙の絵】
「博士ロボ工場~ロボットが働く時代~」
村越 和くん(当時13 歳)
ロボットは人間が入れない危険な所に行き、人間の代わりに働いたりしてくれます。また、自動車工場などではすでに使われてます。そんなロボットが工場にいればいいなと思いかいてみました。
でもロボットだけではだめなので絵の中には人間はいないけど、いつか会話などしながら働けたらなと思いました。