おもしろイベント報告
海洋・水産に関わる機械工学
液体の性質を学んで、水産機械への理解を高める
水産機械を身近に感じてほしい
本イベントは、地域の小・中・高校生の水産機械に対する理解を向上させるとともに、関心を高めるために、以下の三つのイベントの一つとして開催された。
その三つとは、①船舶機関システム等の展示・説明、②魚体色彩による鮮度推定システムの展示・説明、そしてここで説明する、③液体の性質を学ぶ体験学習(対象は小・中学生)である。
会場は下関市にある水産大学校キャンパスの流体工学実験室。子供たちに液体の性質を学んでもらうために、私たちが選んだのは、「割れにくいシャボン玉作り」と「スライム作り」。普段は無粋な実験室に、子供たちとその保護者たちの元気な声が響いた。
タイトル |
海洋・水産に関わる機械工学 |
開催日 |
2 0 1 6 年 1 0 月 8 日・9 日 |
開催場所 |
山口県下関市・水産大学校キャンパス |
主催者 |
中国四国支部/水産大学校 |
主な対象 |
小学生~高校生(体験学習は小・中学生対象) |
主な作業 |
割れにくいシャボン玉・スライムの作成 |
参加人数 |
延べ約 90名 |
親子で楽しんで、親子で感心
割れにくいシャボン玉の作業工程は、以下の通り。
(1)水5:洗剤1:洗濯のり4 の割合で混ぜ合わせた混合液を作成
(2)ストローに溶液を付け、シャボン玉を作る
(3)軍手をはめた手でシャボン玉を羽根つきのように飛ばし、はねた回数を数える
参加者たちは、10回以上もシャボン玉をはねさせられることに驚きながら、親子で「シャボン玉つき」を楽しんでいた。また、日用品で簡単に割れないシャボン玉を作成できることにも驚き、感心していた。
スライム作りの作業工程は以下の通り。
(1)ホウ砂を水で溶かした溶液に、絵の具を溶かして色を付ける
(2)色のついた溶液に洗濯のりを入れてかき混ぜる
(3)流体の状態を見ながら、水や洗濯のりの量を調整する
参加者は、スライム作成の過程において、流体が徐々に粘弾性体に変わっていく様子に、興味津々であった。また、保護者の方からは、「懐かしい!」との声も上がっていた。
参加者の反応・開催者の反応
二つの作業は、分かりやすく、やさしい化学実験であり、作成物も遊べるものだったので、小さい子から保護者の大人まで、多くの参加者に作業・実験を楽しんでもらえた。言葉をかえれば、遊びながら、流体の性質について体験してもらうことができたと思う。
また、この体験学習以外の二つのイベントにおいても教育設備やわれわれが研究している水産機械の一部を紹介できる良い機会となった。例えば、蒸気タービンプラントの操作シミュレーション装置のデモを行うことで、実際の操作の楽しさや難しさを体感して頂いた。さらに「水混合燃料を用いた舶用ディーゼル機関から排出される大気汚染物質の低減方法」や「魚体の色彩による鮮度推定」など特色のある研究をポスターや資料などを通して紹介することで水産機械の重要性を理解し興味や関心を持って頂いた。
協力してくれた学生からも、「分かりやすく伝えるのは難しかったが、興味を持って聞いていただけた」との感想をもらった。参加者だけでなく、開催者側にとっても、意義のあるイベントになった。
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【表紙の絵】
「博士ロボ工場~ロボットが働く時代~」
村越 和くん(当時13 歳)
ロボットは人間が入れない危険な所に行き、人間の代わりに働いたりしてくれます。また、自動車工場などではすでに使われてます。そんなロボットが工場にいればいいなと思いかいてみました。
でもロボットだけではだめなので絵の中には人間はいないけど、いつか会話などしながら働けたらなと思いました。