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2017/1 Vol.120

【表紙の絵】
「ハッピーハッピーマシーン」
中村 遼くん(当時5 歳)
作者のコメント:
人の心を傷つける人や、けんかばかりする人をハッピーハッピーマシーンが吸い
とってくれて、心のきれいな人に産まれかわらせてくれるよ。
みんなが幸せになってほしいな。

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おもしろイベント報告①

小学生を対象としたロボット教室 ぶつからない車をつくろう!

プログラミングにも挑戦

夏休みの静かな大学キャンパスに、子供たちの明るい声が響く。昨年の8月4・5日の2日間、ロボット自動車の工作イベントに、19人の小学生とその保護者の方々が集まった。作成するのは、「ぶつからない車」。赤外線測距センサを持つ車型ロボットをArduino により制御するものである。
1日目は、車体の組み立てと電気配線を行い、そのあと基本プログラム作成の練習を行った。2日目は、前方に障害物のある時は測距センサでこれを検知して前進しないようにするプログラムの作成と、プログラム済みIC の実装を行った。
今回の教材は、講師役の大学生が小学生向けの教材として開発したもので、昨年度から準備をしてきた労作である。中でもモーターマウントは、適当な既製品がなく、3Dプリンタで自作した。
このイベントは2日間で、小学生にとって初めての体験・作業も多かったと思われる。何チームか、機器トラブルで最終形態まで製作できないチームもあった。が、イベント終了後のアンケートでは、児童・および保護者ともに、おおむね好評であった。

 

盛りだくさんの2日間

1日目
①イントロダクション(センサや制御って、どんなところに使われているの?)
②車体の組み立て
・車輪・モータ・電池ボックスの取り付け
・測距センサの取り付け
③基本プログラムの作成(ずっと前進するプログラムや3秒前進・3秒止まるを繰り返すプログラムなど)
④センサを使ったプログラムの作成(障害物の10cm 手前で停止するプログラムなど)

2日目
①リモコンの取り付け
②リモコン操縦だけのプログラム
③センサを含めて、ぶつからない車のプログラム完成
車体の組み立て作業は、ほぼ順調に行うことができた。また、PC でのプログラミングは、マウス操作でできるブロックプログラミング環境により、小学生にとっても簡単にできる作業になっていたと思われる。参加の小学生からは、「ブロックを組み合わせてプログラムを作ることが面白い」という声が聞かれた。

タイトル ぶつからない車をつくろう!
開催日時 2016 年8 月4 日~ 5 日
開催場所 愛媛県松山市・愛媛大学城北キャンパス・教育学部
主催者 ロボティクス・メカトロニクス部門第6 地区技術委員会
主な対象 小学生
主な作業 プログラム作成・車体の組み立て
参加人数 19 名

来年に向けて

あらかじめ、はんだ付けなどの作業を事前に行っておいたことで、車体の作成作業はスムースに行えたが、この準備作業は膨大で多くの学生たちの協力をいただいた。また、盛りだくさんの内容であったため、やや消化不良気味で終わってしまう児童もいた。小学生にとってどのような製作作業・プログラミング作業が適しているか、今後も検討を続けたい。
最後に、今回のイベント開催に支援いただいたロボティクス・メカトロニクス部門に感謝いたします。

 

大西 義浩(愛媛大学)

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