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2024/5 Vol.127

バックナンバー

特集 自動車用エンジンの現在と未来

特集「自動車用エンジンの現在と未来」によせて

小酒 英範(東京工業大学)

自動車用エンジンに向けられる社会のまなざしは厳しい。2015年のCOP21においてパリ協定が採択されて以降、化石燃料使用による地球規模の気候変動を抑制する機運が高まり、各国のエネルギー政策においても、特に欧州連合を中心に化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が推進されている。我が…Read More

特集 自動車用エンジンの現在と未来

熱効率50%スーパーリーンバーンエンジンの開発

坂井 洋志・木村 幸四郎・大村 哲生・高橋 大志〔トヨタ自動車(株)

まえがき エンジンの熱効率を大幅に向上させるためには、リーンバーンが有効な技術であるが(1)、NOx浄化が課題となる。対応策としてのNOx浄化触媒の追加は、各地域の排気規制に対応するために有効な手段であるが(2)、後処理システムの構成が複雑になりコストが増加する課題がある。筆者ら…Read More

特集 自動車用エンジンの現在と未来

副室ジェット燃焼による熱効率向上への挑戦

安藤 博和〔(株)本田技術研究所〕・鳥居 建史〔本田技研工業(株)〕

はじめに 昨今、カーボンニュートラル実現のため、従来の内燃機関自動車から化石燃料に頼らない電動自動車への転換が加速している。電動自動車への完全移行には、十年単位の時間を要するため、その移行期においては内燃機関自動車の燃費改善が重要である。ガソリン火花点火(Spark Igniti…Read More

特集 自動車用エンジンの現在と未来

発電用ロータリーエンジン8C 型の開発~高出力密度を追求した車載発電ユニットへの挑戦~

日高 弘順・横尾 健志〔マツダ(株)〕

はじめに マツダがカーボンニュートラルの実現に向けて推進するマルチソリューション戦略の一つのモデルとして、発電ユニットを搭載したプラグインハイブリッド車を市場導入した。求められる出力性能を、より軽量・コンパクトでスムーズに発揮できるロータリーエンジンは発電ユニットとして適しており…Read More

特集 自動車用エンジンの現在と未来

世界初 可変圧縮比エンジンVC-TURBO 用マルチリンク式クランク機構の開発

大熊 悟・塩飽 紀之〔日産自動車(株)〕

はじめに 日産自動車では、2018年より自動車用量産エンジンとしては世界初となる直列4気筒可変圧縮比エンジン VC-TURBOの生産を開始した。さらに、シリーズハイブリットシステム e-POWERに直列3気筒可変圧縮比エンジンの適用とバリエーションを拡大し、現在に至るまでさまざま…Read More

特集 自動車用エンジンの現在と未来

正味熱効率55%超の次世代ディーゼルエンジン- 画期的な熱効率改善を得るための天の邪鬼的研究アプローチ -

内田 登〔(株)新エィシーイー〕

今後もエンジンという選択肢は必要か 包括的なCO2排出抑制や将来エネルギの観点から 答えはYes。欧米では近い将来にエンジンの生産そのものを廃止する可能性もあるが、これは政治家の「エンジン不信」による部分が大きいと思う。近年のさまざまなLCA(ライフサイクルアセスメント)解析結果…Read More

特集 自動車用エンジンの現在と未来

重量車用水素エンジンの実用化を目指して

伊東 明美(東京都市大学)

水素エンジンを取り巻く状況 乗用車では、二酸化炭素排出量削減のため電気自動車化が進んでいる。しかし長距離トラックや建機などでは、要求される連続稼働時間に対し搭載できる電池の量が不足すること、電池の寿命が車両に要求される寿命に対し短すぎることなどから電気自動車化が難しい。これら車両…Read More

特集 自動車用エンジンの現在と未来

燃料のライフサイクルアセスメント

工藤 祐揮〔(国研)産業技術総合研究所〕

はじめに 2020年10月に宣言された「2050年カーボンニュートラル」を受けて、我が国では脱炭素に向けた取組みがよりいっそう強化されてきている。カーボンニュートラルを実現するための「経済と環境の好循環」をつくるための産業政策として2020年12月に策定された「2050年カーボン…Read More

特集 自動車用エンジンの現在と未来

e-fuel に関する技術調査と実証試験

中山 智裕〔(株)SUBARU〕

まえがき パリ協定による国家間の気候変動枠組条約の採択を契機に、昨今では地球温暖化抑止に向けた持続可能社会の実現のため、多くの企業が責務の一部としてさまざまな活動に取り組むようになってきた。SUBARUでは、中期経営計画などで示されているように経営から開発、販売に至るまでの企業活…Read More