日本機械学会サイト

2022/11 Vol.125

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特集 超音速で飛ぶ世界

特集「超音速で飛ぶ世界」にあたって

金崎 雅博(東京都立大学)

超音速旅客機の研究開発現状概観 2022年1月、Boom Supersonic社による超音速旅客機(Supersonic transport: SST)、“Overture”(図1)(1)をアメリカン航空が20機購入するとの発表があった。Overtureは日本航空が開発に出資し、…Read More

特集 超音速で飛ぶ世界

環境適合超音速旅客機実用に向けた超音速流研究

金崎 雅博(東京都立大学)

はじめに 超音速飛行とは 超音速飛行とは、物体周りの流体など媒介の状態で決定される音速よりも高速で進行する状態を指し、音速と物体の速度の比をMach数と呼ぶ。大気の場合、主に音速は温度の平方根に比例することから、低温大気中では音速も小さくなり、Mach数は同じ速度でも高温大気中に…Read More

特集 超音速で飛ぶ世界

低騒音な機体形状における大気乱流の影響

鵜飼 孝博(大阪工業大学)

はじめに ソニックブームと大気乱流 ソニックブーム現象とは、超音速飛行機から生じた衝撃波・膨張波( ≈ 圧力波)が大気中を長距離にわたって伝播し、地上で轟音(本稿では“ソニックブーム騒音”または単に“騒音”と表す)が発生する現象である(図1)。このソニックブーム騒音の大きさは、圧…Read More

特集 超音速で飛ぶ世界

大学における超音速実験機の研究開発~空気力学面の取り組みを中心として~

溝端 一秀(室蘭工業大学)

はじめに 大学で超音速飛行実験機を研究開発している 室蘭工業大学では、地上で研究された各種基盤技術を実際の高速飛行環境で実証するためのフライングテストベッドとして、マッハ2程度までの速度で飛行できる小型実験機の構築を目指している。これまで、クランクトアロー主翼を有する二世代の機体…Read More

特集 超音速で飛ぶ世界

ソニックブームと低ブーム超音速旅客機

牧野 好和(宇宙航空研究開発機構)

はじめに 超音速機とソニックブーム 音速よりも速い超音速で飛行する航空機からは機体の各部から衝撃波や膨張波が発生し、それら圧力波が地表に到達する際にソニックブームと呼ばれる音として観測される。1976年から2003年まで運航されていた超音速旅客機コンコルドにおいては、そのソニック…Read More

特集 超音速で飛ぶ世界

前進翼をもつ静粛超音速旅客機の検討

岸 祐希・金崎 雅博(東京都立大学)・牧野 好和(宇宙航空研究開発機構)

図1 Overture(Boom Technology社)(1) はじめに 超音速機に用いられる翼平面形について 古くはコンコルドから、現在Boom Supersonic社(米)で開発が進められている65~80人乗りの超音速旅客機Overture(図1)に至るまで、超音速機は音速…Read More

特集 超音速で飛ぶ世界

ソニックブームと気象のかかわり

山下 博(ドイツ航空宇宙センター)

ソニックブーム現象における大気状態の影響 超音速旅客機(supersonic transport)から発生する衝撃波や膨張波は、地上へ向けて大気中を伝搬する間に圧力波形が整理統合され、地上で強い爆発音を引き起こすことがある。この現象をソニックブーム(sonic boom)という(…Read More

特集 超音速で飛ぶ世界

水素航空機向けコア技術開発

餝 雅英〔川崎重工業(株)〕

はじめに 航空機におけるCO2削減の動向 地球温暖化の影響による気候変動を抑制するために世界中の国々で脱炭素の動きが強まりつつあり、アメリカ、ヨーロッパ各国、および日本は2050年までにカーボンニュートラルの達成を目標に掲げている。 航空機においても国際的なCO2削減の指針は以前…Read More