日本機械学会サイト

2022/6 Vol.125

バックナンバー

特集 新技術の安全・安心はいかにして確保されるべきか

技術と法律の望ましい関係を目指して

近藤 惠嗣(福田・近藤法律事務所)

はじめに AI時代における技術者の起こした不祥事の意味 最近は、IoT、AIなどの文字をメディアで目にすることのない日はないといってもよい。自動化・無人化の波はあらゆるところに押し寄せている。 AIが社会生活のさまざまな場面に浸透することにより、人が直接に関与しないところで事故が…Read More

特集 新技術の安全・安心はいかにして確保されるべきか

機械技術者のリスク管理

向殿 政男(明治大学)

まえがき 機械技術者にかかわるリスクには、実は二つの面があることを忘れてはならない。一つは、他者に与えるリスクであり、もう一つは、自分自身に降りかかるリスクである。ここで、他者とは、機械技術者が関係した機械設備を直接使用する利用者、導入して事業を行っている企業であり、さらに機械設…Read More

特集 新技術の安全・安心はいかにして確保されるべきか

自動運転の高度化と民事責任の変容

岡本 満喜子(関西大学)

交通事故に伴う法的責任とは 刑事・民事責任、行政処分の中で民事責任に着目する 自動運転車による事故について検討する前提として、従来の車両(ここでは人が常に運転の主体となる車両とする)により交通事故が起きた場合の法律関係について述べる。 Aが所有する車両を運転中、運転を誤って歩行者…Read More

特集 新技術の安全・安心はいかにして確保されるべきか

保険制度によるリスクの分散

坂下 秀行〔三井住友海上火災保険(株)〕

はじめに 我が国が目指す未来社会Society5.0において、IoT(Internet of Things)ですべての人とモノがつながり、さまざまな知識や情報が共有され、今までにない新たな価値が生み出される。また、AI(人工知能)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり…Read More

特集 新技術の安全・安心はいかにして確保されるべきか

事故調査の現状と問題点

佐藤 健宗(佐藤健宗法律事務所)

公的な事故調査の概要 2001年以前、我が国の公的な事故調査機関としては、航空事故調査委員会と海難審判庁があるだけで、それ以外の分野では公的な事故調査機関は存在しなかった。マスメディアや国民の受け止めとしても、「この事故の原因は警察が調べています」という報道を違和感なく受け止め、…Read More

特集 新技術の安全・安心はいかにして確保されるべきか

公益通報者保護制度の発展系譜と新たな課題

髙野 一彦(関西大学)

はじめに 2021年6月30日、電機M社は長崎製作所で製造する鉄道車両用の空調設備の一部で不適切な検査などが行われていたことが社内調査で判明したと公表した(1)。その後、本件は他の工場、製品でも行われていたことが判明し、社長・会長の退任に至っている。 近年、企業による品質・検査不…Read More