電動機,減速装置,巻胴などを一体化した小型の巻上装置で,横行できるものが多い.多くの種類が製品化されており,用途に応じて選択できる.定格荷重は通常0.5~5t,7.5~20tの範囲でシリーズ化されているが,30tもある.揚程は低いもので3m,普通は6,12mのものが多いが,18,24,30mなどもある.巻上速度は同一シリーズ内でも定格荷重が増すとともに減少するが,50Hz電源で12~4m/minの範囲で製品化されている.操作を容易にするために,高低二速や10分の1の微速を備えるもの,補巻付きやインバータモータの使用したものもある.横行方式には懸垂,手押し,鎖動(チェーンを介した手動操作),電動の4方式があり,電動式の横行速度は10~30m/minの範囲のものが多い.天井の低い箇所で最大の巻上高さを得るために,ローヘッド式がある.支持レールにはI形鋼が使用され,単レールと複レールがあり,複レール形は定格荷重の大きいホイストに使用される.ホイストは,負荷時間率と始動頻度(平均使用時間)から負荷区分を求め,使用状況にあった電動機,ブレーキ,減速機などが選定される.安全装置には,ブレーキ,二段式巻上リミットスイッチ,過負荷防止装置などを備える.操作は,通常ホイストから懸架したペンダント上の押しボタンにて床上で行うが,携帯式操作ボタンなどで遠隔操作も可能である.