車両を何らかの方法で浮上させて走行することのできる鉄道の総称であり,一般に推進手段としてリニアモータを組合せて使用する場合が多い.浮上のための手段としては,空気圧によるものと磁力によるものがある.高速鉄道を対象としたものとしては,磁力を用いる磁気浮上式鉄道が主流となっている.開発されている代表的な磁気浮上式鉄道として2方式に大別される.一つは,制御された電磁石と地上に配置した強磁性体との間の吸引力を制御して,一定の空げきを保つようにした吸引式磁気浮上(EMS, electro magnetic suspension)式鉄道であり,日本ではHSSTで開発されており,海外ではドイツのTRANSRAPIDが代表的例である.ほかの一つは,日本のJRグループで開発が進められている超電導磁気浮上(EDS, electro dynamic suspension)式鉄道である.この方式では,車上に搭載した超電導磁石と,地上コイルに発生する誘導電流との間の電磁気的作用によって浮上力を得ている.前者は,地上設備との空げきが10mm程度となるのに対して,後者では100mm近い空げきを確保できることが特長となっている.