工業製品表面のなめらかさや幾何学的不規則性を一定の約束のもとに数値化した量.固体の表面のトポグラフィーのうち,表面うねりよりも短い波長成分の凹凸.機械の接触面やしょう動面などの機能と表面の品質に影響を及ぼす.[JIS B 0601-
1994]では,表面粗さを表すパラメータとして,粗さ曲線から求められる算術平均粗さRa,最大高さRy,十点平均粗さRz,凹凸の平均間隔Sm,局部山頂の平均間隔S,および負荷長さ率tpの6種類のパラメータが規定されている.このほか,二乗平均粗さが頻繁に用いられ,またパワースペクトルなどを用いた粗さの不規則変動としての取扱いも行われている.表面粗さは,製品の外観のみならず,寿命・強度・部品互換性などの性能に影響を及ぼすため,設計図面では各仕上げ面の表面粗さ値が指示され,管理される.表面粗さは,通常触針を用いた電気式粗さ測定器により検証される.粗さの被測定面に垂直な面で被測定面を切ったとき,断面に現れる曲線を断面曲線と呼び,断面曲線から所定の波長より長い波長成分をカットした曲線を粗さ曲線と呼ぶ.Ra,Rmax,Rzの定義を図に示す.