個々のジョブに対して，機械や設備ごとに作業（オペレーション）の開始，終了時刻あるいは作業を行う順序を決めること．ときには，スケジューリングの同義語としてシーケンシング（順序付け）という言葉が使われるが，厳密な意味からは，シーケンシングはジョブの処理順序を決めることを第一目的としていて，時刻とか日付とかの対応は付随的に決まるものとしている．このようなスケジューリング機能は，計画機能やコントロール機能と並んでショップフロアコントロールに不可欠な意思決定機能とされている．通常，スケジューリングの結果はガントチャートで表される．これは横軸に日付や時刻をとり，縦軸に機械や設備あるいはジョブをとることにより，作業の時間的流れを棒図表で示したものである．スケジューリングには，ジョブの機械や設備の処理順序がすべて同一であるフローショップと，ジョブが固有の機械や設備の処理順序をもつジョブショップがある．前者のスケジューリングで，ジョブがバッチ単位で処理される場合をバッチスケジューリングと呼ぶが，これにはバッチサイズとその処理順序を同時に決定しなければならない．また後者は，ジョブの流れが多様で錯そうするため解法が難しくなる．よって，いずれの場合も最適解を求めることが非常に困難とされている．そのため，現実には，種々のパラメータを試行的に設定して行うスケジューリングシミュレーションによって，良好な解を求める方法が良くとられている．