製造業における中核となっている販売・開発・生産の各部門間をコンピュータネットワークで結び,かつそこで使用されているデータベースの一元化を図ることにより,各部門間の情報伝達を迅速化させて,経営の最適化を意図したシステムで,コンピュータ統合生産とも呼ばれている.図にCIMの概念を示す.実際には,図の3部門のうち,2部門間が結合されている場合もCIMと呼ばれている場合が多い.CIMの例としては,まず,販売部門と,生産管理システムおよび工場内のFAシステムとの結合があげられる.これにより,顧客にとっては,ほしい製品が短期間で入手可能となり,一方生産側では,在庫量を低減できるという効果が生まれる.別の例としては,開発と生産部門間の情報伝達の迅速化により,製品開発期間の短縮が期待できる.しかし,このCIMの実現には,大きな投資が必要なことが多く,企業にとっては,その投資効果の判定がむずかしいという課題が残っている(なお,ヨーロッパでは,FAを構成するソフトウェアの意味で使用されることが多い).