MQLとはMinimum Quantity Lubricationの略である.切削加工時に,標準的な方法で切削油剤を供給することで問題となるミスト発生や切削油剤の後処理などの環境負荷を軽減することを目的に考え出された加工法で,従来の湿式加工と比べて極端に切削油剤の供給量を少なくすることが特徴である.通常の切削油剤供給量と比較して,必要最小限の切削油剤(標準的には数十cc/時間)を,圧縮空気流とともに加工点近傍に供給することで,切削点での潤滑効果を向上させることができる.使用する切削油剤としては,植物油等環境負荷の低い油剤が用いられる.