非常に広い意味を持つ用語であり，・人間が必要とする機能を一つの製品やシステムなどとして具体化する過程である」と定義される．いわゆる意匠デザインなども設計に含まれるが，一般に機械工学などにおける設計は，工学設計として前者などとは区別するのが普通である．設計は人工物をつくり上げることを目的としていることから，自然科学を基礎としながらも，自然現象の解明のみを目的とする自然科学自体とは異なるものであり，その基本は目的とする機能を実現するための総合（シンセシス）である．設計という用語は，上記のように広い意味を持つので，その内容はいろいろに分類できる．例えば機械工学の分野では，製品の種類による分類（乗用車設計，プラント設計など)，機能区分による分類（機構設計，構造設計，装置設計など)，関連する工学解析の種類による分類（強度設計，空力設計，熱設計）などが考えられる．最も一般的で広く用いられるのは設計過程による分類で（設計要求，概念設計，基本設計，詳細設計）のようである．最近では設計過程を支援するコンピュータシステム（CAD）が広く実用化されてきており，このような分野の基礎を与える学問として設計工学も発達しつつある．