固体内に液体が浸入し,その構造を変えることなく,体積,寸法,硬度などが変化する現象.一般に物質は同じ極性を持つ溶液に対しては膨潤しやすい.天然ゴムのように炭化水素からなる非極性分子では同じ炭化水素系の鉱物油には膨潤が顕著である.使用される油に対するシールの膨潤量は実物で使用条件に即した試験をしなければ判明しないが,目安として使用油のアニリン点を測定し,同程度の試験用潤滑油ASTM No.1,2,3で評価できる[JIS K 6258参照].通常,アニリン点のいちばん低いNo.3(アニリン点70±1℃)で膨潤量を試験する場合が多い.