平行軸歯車の一つで,歯すじが軸に平行である円筒歯車をいう.平行軸歯車にはほかにも,歯すじが軸に対して傾いている(つる巻線である)はすば歯車,左右にねじれたはすば歯車を一体に組合せたやまば歯車がある.平歯車は動力を伝えるときに,軸方向に分力が発生しないために軸受にかかる負担が少ないという特長がある.歯形はインボリュート曲線(日本工業規格[JIS B1701]インボリュート歯車の歯形および寸法)のものが一般であり,インボリュート歯車は軸間の誤差の影響を回転方向に受けにくいという特長がある.歯車の外径を歯先円と呼び,歯の大きさを表す基本単位のモジュールmと歯数zで決まり,標準歯車では\(m \times \left( {z + 2} \right)\)である.基準ピッチ円の値は\(m \times 2\)である.歯の大きさは,歯厚が基準ピッチ円上でπm/2,ピッチ円から歯先までの歯末のたけがm歯底までの歯元のたけが1.25m,全体の高さ全歯たけが2.25mである.歯車対で考えたとき,かみあいに参加する歯たけを有効歯たけ(2m),相手の歯先と歯底のすきま(0.25m)を頂げきと呼ぶ.歯車の厚さを歯幅と呼び,歯元の強度はモジュールと歯幅で決まる.