分子間にはファンデルワールス力と呼ばれる分離距離 \(r\) の 7 乗の逆数で減少する相互作用引力(ポテンシャルとしては \(1/r^6\) に比例)が働いている.作用する分子の両方あるいは片方が永久双極子をもつ極性分子であるか,または両方が非極性分子であるかにより,作用力をそれぞれ配向力(Keesom力),誘導力(Debye力),分散力(London力)と呼ばれる.分散力は,原子核周りの電子運動による瞬間的な双極子効果に起因しており,非極性分子を含め全ての分子間に働き,また水のような小さくて極性の強い分子を除いて,一般的には分子間引力に最も大きく寄与するので重要である.