固体面間の表面力は分子対間のファンデルワールス力を全ての分子について加算することによって求められる.これには,ファンデルワールス力が加算的であるという仮定を前提とするが,固体面間に気体ないし真空層しかない場合には加算条件が成立する.Hamaker (1937) は,距離 \(r\) にある分子対の相互作用ポテンシャルが \(C_{vdw}/r^6\) で表されるとすると,距離 \(D\) だけ離れた固体面間の単位面積当たりのファンデルワールス引力は,\( \frac{{\pi}C_{vdw}{\rho_1}{\rho_2}}{6D^3} = \frac{A}{6{\pi}D^3} \) で表されることを示した.ここで \({\rho_1}\), \({\rho_2}\) は2つの固体における分子の数密度である.また,\(A = {\pi^2}C_{vdw}{\rho_1}{\rho_2}\) は2つの固体材料間のファンデルワールス相互作用の強さを示す物理量で,Hamakerの功績をたたえてハマーカー定数と呼ばれる.