試料に照射した超音波ビームの反射波あるいは透過波を検出することにより,試料内部の欠陥などの微細構造を弾性率や密度の差によって非破壊的に検査する装置.反射型超音波顕微鏡では,図のように,まず圧電トランスデューサを高周波加振して平面波超音波を発生させる.平面波は,音響レンズ内の導波部を伝ぱし,凹レンズ部で球面波に変換されて水中を伝ぱし,試料の一点に集束する.この波は試料の弾性的性質を受けて反射され,反射波は入射経路を逆方向に伝ぱし,圧電トランスデューサで電気信号に変換された後,検出される.超音波の波形としては連続波を用いるものとパルス的なものがある.また高周波領域(100MHz~数GHz)の高分解能指向のものと,低周波領域(10~100MHz)の深部観察指向のものがあり,周波数1GHzでは分解能が1μm,透過距離が5μm程度,周波数30MHzでは分解能が50μm,透過距離が5mm程度である.