記録媒体に情報を記録し,被記録情報を電圧として検出するセンサの総称.従来の面内記録方式の書込みヘッドでは,高透磁率磁性材料でできた環状の磁気回路の一部に空げき(ヘッドギャップ)を設け,磁気回路に巻いた巻線に電流を流すことで生じる磁束がヘッドギャップ部分から漏れ出て発生する強い磁場を用いて媒体を磁化していたが,垂直記録方式の書き込みヘッドでは,単磁極ヘッドと磁気ディスク磁性膜下の軟質磁性体層(裏打ち層)とともに磁束回路を形成して垂直方向に媒体を磁化している.再生ヘッドには記録ヘッドと同じ構成で磁気回路に流れる磁束の変化を電磁誘導の原理で電圧として検出するインダクティブ磁気ヘッドのほかに,磁気抵抗の変化を利用した磁気抵抗効果MRヘッド,巨大磁気抵抗効果GMR ヘッド,トンネル磁気抵抗TMRヘッドなどがあり,現在はほとんどの磁気ディスク装置においてTMRヘッドが用いられている.