照明された微小物を光学レンズ(対物レンズ)によって拡大して,その実像を作り,これをさらに接眼レンズで拡大視する顕微鏡.対物レンズには通常5倍位から最大100倍まで種々の倍率があり,これを選ぶことにより所望の倍率が得られる.大別するとサンプルの上にカバーガラスを付けて使用する生物顕微鏡と,カバーガラスを使用しない金属顕微鏡とがある.生物顕微鏡の対物レンズは,カバーガラスの厚さを考慮して収差補正するように設計されている.そのほか,金属顕微鏡の照明系に偏光子を置き,対物レンズと接眼レンズの間に検光子を配置して,被検物の偏光状態を観察可能にした偏光顕微鏡,被検物を載せる台がX,Y,Z方向に広範囲に移動でき,その移動量を読取って微小なサンプルのサイズを高精度で計測できる万能測定顕微鏡,生組織などの低コントラストの被検物の場合その位相差によってコントラストを上げる位相差顕微鏡,参照面を内蔵し被検物と干渉させ被検物の微小な範囲の凹凸を干渉じまによって見る干渉顕微鏡などがある.