脚式ロボットは脚の接地点を踏換えて移動するため,車輪式のような連続接地軌跡を必要とせず,接地不可能な凹凸部分や軟弱部分をまたぎ越して移動できるという特徴を持つ.これは凹凸の激しい荒れ地や階段,あるいは植物や資材など接地回避すべき部分の多い現場での移動に際して有利である.さらに全方向への移動と旋回機能,足底面拡大による接地圧低減,胴体姿勢制御により不整地作業のプラットホームとなる特徴を有する.脚機構には各関節に駆動部を持つもののほか,図の四足歩行ロボットのようなリンク機構を用いた関節型も用いられる.歩行制御方式には歩行周期が比較的長く,静的安定性を維持する静歩行と,歩行周期が短く,運動の加減速の慣性を利用した動歩行とがあり,六足歩行ロボットなどの多脚ロボットには安定性の高い前者が,四足歩行ロボットや二足歩行ロボットの高速移動には後者が用いられる.現在は不整地に対応させるなど,さまざまな動歩行の制御方式の研究開発が行われている.