対象物に能動的にアクセスして,製品や設備の検査を行うロボットで,センシング機能に加えて,マニピュレーション機能や移動機能および認識機能,判断機能等を有し,検査の精度向上,検査工程の省力化,高速化などのために開発・導入されている.製造業における検査内容は,製品の形状,色,温度,欠陥などさまざまであるが,センサ自体の技術進展とともにインテリジェント化,ロボット化が図られ,検査能率の大幅向上に寄与している.一方,パイプラインや送電線,高層ビル,大型タンク,原子力プラントから道路,橋りょう,海底環境等にいたるまで,従来,検査困難であった設備または,非常な危険を伴う環境についても移動機構等,各種アクセス機能を有する検査ロボットの出現で,いろいろな検査が可能になってきている.製造業における製品検査が良否判定を主目的としているのに対して,これらの設備の検査は,長期間使用による腐食,さび,残存肉厚,き裂,塗装劣化,変形・変色などの設備劣化状況の把握のために使われることが多い.