一般の衝突は反発係数‘e’が,\(1 > e > 0\)の衝突,すなわち衝突後に,はねかえりを伴う衝突となる.しかし,物体の特性や状態によっては,反発係数がe=0の衝突をすることがあり,これを非弾性衝突という.完全弾性衝突e=1に対して完全塑性衝突ともいわれ,2物体が衝突後はねかえることなく,一体となって運動する.柔らかな粘土,または砂袋を床面にぶつけたような衝突の運動である.このとき大きなエネルギーが消費される.このような非弾性衝突となる工業的例としては,振動コンベヤ上の粉粒体層の運動などがあげられる.