調和とは二つ以上の信号成分が整数倍の周波数の関係にあることをいう．調和分析とは信号を基本波とその整数倍の周波数を持つ高調波成分の和として分析することである．その代表的な例は周期関数のフーリエ展開である．DFT（discrete Fourier transform）では解析区間の信号が繰返されるという条件が自動的に導入されるので，調和分析の一方法であるといえる．信号成分の周波数が整数倍の関係を有しない一般的な条件で周波数分析を行う方法を一般調和解析と呼ぶ．その代表的な例として自己回帰式（ARモデル）を用いたスペクトル分析がある．