システムや制御系が安定か,不安定かを判別することを安定判別という.線形システムの安定判別は,システム行列の固有値(レゾルベント行列の特性方程式の根,伝達関数の極と同じ)の実部がすべて複素平面の左半平面に存在すれば安定であると判別される.この場合,虚軸上に存在しなければ,漸近安定であり,虚軸上にも存在するとリアプノフの意味で安定であるという.固有値計算が困難な場合には,特性方程式の係数行列から安定判別を行う方法が用いられ,ラウスの方法,フルビッツの方法,リェナール・シパールの方法があり,離散時間系の場合には双一次変換による方法,ジュリーの方法,シューア・コーンの方法がある.非線形系に対しては,リアプノフ関数を用いる方法とポポフの方法などがある.