原子力発電所におけるプラント出力とは,電気出力をさす.電気出力は発電端電気出力と送電端電気出力に分けられる.発電端電気出力とは,原子炉のエネルギーをもとに発生させた蒸気で駆動するタービン・発電機により得られる電気出力そのものをさす.また,送電端電気出力とは,発電端電気出力から発電所内で使用する機器の運転により消費される電力を差引いたものであり,通常はプラント出力として発電端電気出力を用いる.なお,原子力発電所の場合,原子炉熱出力,すなわち,原子炉から取出される熱量を通常MWの単位で表しており,これにプラント熱効率を乗じたものが発電端電気出力,すなわちプラント出力ということになる.例えば原子炉熱出力が3000MWt,プラント熱効率が30%の場合,プラント出力は900MWeとなり原子炉熱出力をMW表示することの利便性がわかる.