ターボ機械の段効率の根幹部分で翼列固有の損失のみ含む.蒸数タービンではこれに①段内部漏えい損失,②湿り損失,③円板摩擦損失,④流出速度損失を加えれば実際の段内部効率になる.理論的には,段を横切る流面に沿う流れに対し速度係数(プロフィル損失と二次損失を反映)を仮定して速度線図(動翼入口出口の速度三角形)から線図効率\(2\left( {{c_{1u}}{u_1}/{c_{2u}}{u_2}} \right)/c_0^2\)(u1, u2:動翼入口,出口の周速;c1u, c2u:同じく蒸気の絶対速度周方向成分;c0:流入,流出速度エネルギー分を補正した「段の断熱熱落差」に相当する速度)を求め,次に流面の線図効率に流量を重みに乗じて翼長にわたり積分し平均すれば,段を通過する単位流量当りの平均線図効率が求まる(前提:段の断熱熱落差は半径によらず一定).実際には,乾き蒸気を用い類似段からなる段群の効率を試験し,①②③④の分をかさ上げして求める.試験結果から,上記理論計算のための速度係数を逆算する.線図効率は,反動度(参照→反動段),段を代表する速度比u1/c0と半径比u2/u1,翼形,翼ピッチ,翼長,翼幅の関数なので,段の計画(段数,平均直径など)と段ごとの効率精算の基礎となる.