レシプロエンジンの分類として,まずクランク軸とシリンダの位置の関係により,直立形,横形(水平形),倒立形の区分けがある.つぎにクランク軸とシリンダの配列により,直列形,多列形,対向シリンダ形,向合シリンダ形,星形がある.多列形をさらに細かく分類すると,V形,W形(V形にさらに一列加えた三列形),扇形(W形にさらに一列加えた四列形),X形(V形を上下または左右に結合した四列形)に分けられる.特殊ではあるがクランク軸が2個以上ある場合の配列として,多軸形,対向ピストン形がある.多軸形をさらに細かく分類すると,H形(水平対向形を上下二段に並べ,出力を得る)と二重V形に分けられる.対向ピストン形は△形と□形がある.一般的に同じ排気量では小径・多数シリンダほど,トルク変動が少なく,高速にできるので軽くできるが,部品点数は多く,価格は高くなる.エンジンの目標性能が設定され,これに合致するよう,上記特長を基本に搭載スペース,整備性などを考慮し,シリンダ数,シリンダ直径およびシリンダ配列を選定する.車両用は,直立直列4や6気筒が多いが,V型6,8,10,12気筒,直列5気筒および水平対向4か6気筒などがある.陸舶用の大型機関は直立直列,V型の6~16気筒が多い.航空気用は,単・複・4列星形,直立V型,倒立V型,直立直列型,倒立直列型,水平対向型など搭載条件の制約からシリンダ配列はさまざまである.