液体と気体は一定の形を持たず，外力等により容易に変形し，流動する．このような物体を総称して流体という．流体が静止しているか，一様な速度で流動している場合には，流体中にとった任意の面に垂直な力すなわち圧力のみが働く．壁面に沿って流動する場合には，粘性により面に接する方向の応力が働き，速度分布を持つ境界層が生じる．このように粘性の効果を持つ流体を粘性流体という．さらに接線応力と速度こう配が比例するような流体をニュートン流体，それ以外の流体を非ニュートン流体という．粘性の効果が小さいときや壁から遠く離れているときには，粘性がないとして扱うこともできる．このような流体を非粘性流体あるいは完全（理想）流体という．また，密度が圧力等により変化しないとして扱う流体を非圧縮性流体，変化する流体を圧縮性流体と呼ぶ．