単位体積の混相流体中に各相が占める体積割合を，それぞれの相のボイド率という．気液二相流では一般に気相の体積割合を単にボイド率と呼び，液相の体積割合をホールドアップという．均質流を除くと一般に相間に相対速度が存在するため，ボイド率とクオリティは等しくない．流れを一次元的に取扱う場合，流路の流れ方向のボイド率の変化があまり大きくなければ，流路の任意断面の中で各相が占める面積の割合をボイド率として用いることができる．多次元的な取扱いでは，局所ボイド率を用いる必要がある．時間平均と位相空間平均との間にエルゴード性が成立する場合には，i相の局所ボイド率は，十分長い測定時間中に流路内のある一点をi相が占める時間割合と等しくなる．