層流予混合火炎でNOxの生成過程を観察すると,希薄火炎では火炎帯下流で緩やかにNOxが生成されるのに対し,過濃火炎では,ほとんどのNOxが火炎帯内で生成されてしまう.その際,最初HCNが生成され,それが減少するにつれてNOが増加するので,燃焼の連鎖反応の中でNOが生成されているように見える.このように,空気中の窒素を起源としながらも,拡大ゼルドビィッチ機構以外の経路で急速に生成されるNOxのことをプロンプトNOxと呼ぶ.生成濃度は当量比1.2~1.4で最大となり,ベンゼンの100ppm,アセチレンの300ppmを除いて,60~80ppm程度である.