あらゆる現象の空間スケールに,絶対的に選択されるスケールは存在しない.同一の法則に基づいて生じる現象も,その空間スケールは条件によって変化し得る.そこで空間スケールを規定する幾何寸法,すなわち現象の空間スケールを支配する幾何寸法を代表長さという.代表長さとしては,対象とする空間の幾何形状の寸法,例えば平板の長さ,ノズル径,また内部流では相当(直)径などが用いられるが,定義によっては,局所的な位置や境界層厚さのように,対象としている物理現象をより局所的に特徴づけるのに意義深い幾何寸法を代表長さとすることがある.