1973年の石油危機を契機に頻繁に用いられてきた用語で,当時エネルギー消費の主要部分を構成していた石油,石炭,水力以外の一次エネルギー全般をさすが,必ずしも明確な区分はない.
図は地球のエネルギーバランスを示している.本図には太陽(光,熱),地熱,風力,潮汐力,海洋,バイオマスなどの自然エネルギーをはじめ,化石および核燃料などすべての新エネルギーが画かれている.化石燃料であっても未利用のオイルシェール,オイルサンドとかあるいは従来のように立地条件に制約されない小規模高性能水力発電も新エネルギーの対象に含めることもある.また原子力については実用化されている軽水炉(加圧水型,沸騰水型)以外の高温ガス炉,高速増殖炉,核融合炉のように同じ核エネルギーであってもエネルギー獲得方法の新しいものを新エネルギーとして新エネルギー開発に含める.主要な新エネルギーについて簡単に説明する.
太陽エネルギーの利用方法には太陽電池のように光エネルギーを直接電力に変換する方法といったん熱に変換して熱水あるいは水蒸気にする方法に大別できる.太陽光発電は半導体の光起電力を利用するもので,Si,CdS,GaAsなどの材料開発が進められており,Siは薄膜製造技術の進歩とコストの面でも実用域に入ってきている.
地熱は地下深部の熱水抽出,高温岩体の蓄熱利用のほかにさらに深部(10km以上)にあるマグマの持っている熱エネルギーを利用する.
海洋エネルギーの利用形態は海水温度差(表層部と深部の差20℃程度)を利用するOTEC,潮位差とか潮流を用いる潮汐エネルギー,波浪の運動エネルギーなどが考えられている.
バイオマスは地球全体の光合成量の大部分を占めるリグノセルロースを対象とし,アルコール類,油脂などの液体燃料への有効な転換方法に関する研究・技術開発が進められている.