流体中を運動する物体(または,流れの中に置かれた物体)が流体から受ける力の運動方向成分(または,流れ方向成分)を抗力または抵抗という.抗力には物体表面のせん断応力の積分によるものと圧力の積分によるものがあり,前者を摩擦抗力,または摩擦抵抗という.なお,後者は圧力抗力(または,圧力抵抗)と呼ばれ,二次元物体の場合,摩擦抗力と圧力抗力の和を形状抗力(または,形状抵抗)という.また圧力抗力の中には,揚力(流体から受ける力の運動方向または流れ方向に垂直な成分)がある三次元物体の場合,揚力の発生に伴う不可避の誘導抗力(または,誘導抵抗)があり,自由表面を持つ流れでは波の発生に伴う造波抗力(または,造波抵抗)もある.これらすべての抗力の総和をとくに全抗力(または,全抵抗)ということもある.