流れの断面積を減少し,管路または流体通路内に抵抗を持たせる機構.チョーク絞りとオリフィス絞りとがある.チョーク絞りは,通常絞り流路が細長いので,内部の流れは多くの場合層流になり,通過流量は絞り前後の圧力差に比例する.またその抵抗値は作動油の粘度に従って温度に大きい影響を受ける.それに対してオリフィス絞りは絞り流路の長さが短く,通過流量は絞り前後の圧力差の平方根にほぼ比例する.なお抵抗値は作動油の粘度にはほとんど影響を受けない.
流路にそってエンタルピーが一定であるような流動過程であり,典型的な不可逆変化の過程である.流路に障害物を挿入して積極的に絞ってもよいが,いろいろな形式の摩擦も絞り効果をもたらす.絞りによる温度の変化をジュール・トムソン効果といい,理想気体からの隔たりの一つである.(∂T/∂p)hをジュール・トムソン係数という.温度が低下する領域において気体の液化に応用する.また,絞り熱量計においては,絞りにより湿り蒸気の乾き度を測定する.