渦管が閉じた曲線を構成するとき,これを渦輪という.円形渦輪が最も一般的である.円形渦輪の半径をR,渦管の半径をσ,循環をΓとすれば,\(\sigma / R\ll 1\)のとき,渦輪の移動速度Uは\(U = (\Gamma /4\pi R)〔(\ln (8R/\sigma ) - 1/4〕\)である.同じ循環を持つ二つの渦輪が前後に配置されると,後方の渦輪が前方の渦輪を追越す.だ円の渦輪は,周方向の曲率の違いによる誘起速度の差を持つために,長軸と短軸が入れ換わるような変形をする.だ円渦輪の長半径が無限大の極限は,互いに逆方向に回転する二つの渦管が平行に並んだものになる.これを渦対という.